知り合いのお店をGoogleで検索したら、AIが書いたっぽい記事が一番上に出てくるんです。でもこれ、写真も内容も全然違うんです。
これってどうにかならないんですか?
先日、こんな相談を受けました。
実際にそのページを見せていただくと、確かに画像は「AI生成」と一発でわかる粗悪なもの。
しかし、書かれている内容が本当かどうかは、その場所に行ったことがない私には判断ができませんでした。
こんなとき「この記事、正しくないですよ」とGoogleに伝える手段はあるのでしょうか?
今回は、そんな疑問にお答えします。
怪しい記事を見つけたら、まずは「通報」を
Googleの検索結果に対して「正しくない情報なので検索に出さないでほしい」と通報する方法はあります。
Google 検索のスパム報告フォーム
※スパム報告はGoogleアカウントがあれば誰でも報告可能です。

【報告のコツ】
フォームのコメント欄には、「AI生成とみられる不自然な画像が使われており、実在する店舗の実態と全く異なる虚偽の情報が掲載されている」といったように、実害がわかるように具体的に書きましょう。
「たった一人の通報で変わるの?」と思われるかもしれません。
確かに、次の日にすぐ反映されるということは考えにくいですが少なからず意味はあります。
Googleは毎日膨大な報告を受けており、こうした報告はAIやGoogle検索の学習材料となり、次回のアップデートで悪質なサイトを排除するための重要なデータになるからです。
逆に、こういった正しくない記事を放置しておくことにはどんなリスクがあるのでしょうか。
放置すると危険!偽情報が検索上位にあるリスク
「たかがネット上の1記事」と放置してしまうと、思わぬ被害に繋がる可能性があります。特に注意すべきは、AI検索とAIが誤った情報を学習してしまうという2つの観点です。
- LLMOへの悪影響
近年の検索エンジンは、キーワードに一致するページを表示するだけでなく、AIがサイトの内容を要約して「回答」として提示する機能が主流です。
検索上位に虚偽の記事がある場合、AIはこの偽情報を「信頼できるソース」として引用し、回答の冒頭で堂々と嘘を教えてしまうリスクがあります。 - AIが誤った情報を学習してしまう
AIは、ネット上に存在する情報を学習して賢くなります。
虚偽の記事が検索エンジンにインデックスされ、上位に留まり続けると、他の生成AIがそれを「事実」として学習データに取り込む可能性があります。
一度誤った情報がAIの世界で「定説」となってしまうと、修正は極めて困難です。
このように、虚偽の情報は単に検索結果で見た人を誤解させてしまうだけでなく、AIによって拡散・固定化されてしまうというリスクがあります。
なぜAIは「嘘の記事」を信じてしまうのか?
今、世界中でAIによる誤情報の自己増殖が問題になっています。
最近のChatGPTをはじめとする生成AIやGoogleのAI Overviewなどは、質問されるとネット上の情報を検索し、上位にあるページをまとめて回答を作る仕組みで動いています。
そのため偽の紹介記事が検索上位にあると、AIは「これが最新情報だ」と勘違いし、自信満々に嘘を広めてしまうのです。
さらに怖いのが、嘘の自己増殖ループです。
- AIが嘘の記事を作る
- 別のAIがそれを学習し、間違った回答をする
- そのAIの回答を見た人間が、ブログやSNSに「〇〇店ってこうらしいよ」と書き込む
- さらに別のAIが、その書き込みを学習して「新しい知識」として記憶する
このように、最初に作られた1つのAIの嘘が、ネットの海をぐるぐる回るうちに「あたかも事実であるかのように補強されていく」という悪循環が起きてしまいます。
一度このループに入ると、後から修正するのが非常に難しくなります。
これが放置されると、「閉店しました」「移転しました」「ありえないメニューが掲載されている」といった実害がお客さんにまで及ぶ可能性があります。
今すぐできる「最強の防衛策」
通報は「相手を落とす足引っ張り」ですが、Googleの検索結果で本当に強いのは「正しい情報のボリューム」です。
GoogleのAIは、「公式サイト」や「Googleビジネスプロフィール」に書かれている情報を最も信用するようにプログラミングされています。
- Googleビジネスプロフィールを最新にする
- Instagramやホームページで、正しい情報を発信し続ける
お店側が「これが本物のメニューです!」「元気に営業中です!」と公式の大きな声で発信し続けること。
これが、AIに「ネットに転がっているあの記事は嘘で、こっちが本物だよ」と教えてあげる、最も効果的な上書き学習なのです。
もし同様の事例に遭遇したら「ネットの怪しい記事だし放っておこう」と思わずに、ぜひ「AIが勝手にお店を閉店扱いにしちゃうリスクがあるよ!」と教えてあげてください。